東京都中央卸売市場豊洲市場は10月11日で開場5周年を迎えました。同日、小池百合子都知事のあいさつ文が、東京都中央卸売市場の早川剛生市場長から豊洲市場協会の伊藤裕康会長へ手渡されました。また、伊藤会長もコメントを発表しました。
豊洲市場開場5周年に寄せて
このたびは、豊洲市場の開場5周年を無事迎えられましたことを心からお慶び申し上げます。
2018年10月、新たな場所への期待と不安を抱えながらも、市場業者の方々によるターレーが築地大橋から豊洲新市場を目指して大行進された様子は今も脳裏に焼き付いております。未来に向けて挑むその雄姿は頼もしさに溢れていました。
開場後まもなく、日本で猛威を振るった新型コロナウイルス感染症により、市場取引にも大きな影響が生じました。そうした中にあっても、皆様が生鮮食料品のサプライチェーンを守り抜くという気概と徹底した対策で、都民の食を守っていただきました。改めてここに感謝申し上げる次第です。
今年5月に新型コロナ感染症の5類移行などによって、社会経済情勢も回復の兆しが見えてきております。豊洲市場にも日本人だけでなく外国人観光者の方々が多く見受けられるようになりました。来年2月には、千客万来施設がオープンする予定です。これからも、豊洲市場を核とした活気と賑わいをより一層創出してまいります。
一方で、市場を取り巻く環境は、物価高騰や気候変動による生産への影響など、解決しなければならない数多くの課題を抱えております。豊洲市場が、都民への食の供給拠点としての役割はもとより、日本が世界に誇る、多様で豊かな、そして伝統に満ちた食文化を継承・発展していく拠点であり続ける。そのためにも様々な環境の変化にもしっかりと向き合いながら、これからも共に歩みを進めてまいりましょう。
今後とも、関係者の皆様のご支援をお願い申し上げるとともに、益々のご活躍とご健勝を祈念して、開場5周年のご挨拶といたします。
東京都知事 小池百合子
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開場5周年にあたって
豊洲市場はこの度、開場5周年を迎えました。出荷者の皆さま、市場をご利用いただいている皆さまに御礼申し上げますとともに、共に食品の流通を支えていただいております市場関係者、開設者の方々に感謝いたします。
振り返りますとちょうど5年前、開設者である東京都と業界が一丸となり、83年ぶりとなる移転事業を成し遂げました。しかし、移転から1年が経過して落ち着きを取り戻した直後に新型コロナウイルス感染症が発生し、かつて経験したことのない非常事態に見舞われました。国内外の移動制限や大事なお客様である飲食店の営業自粛や時間短縮は市場内事業者にとって大きな負の影響をもたらしました。
その中でも、豊洲市場はライフラインであり、生鮮食品を集荷し販売を続けるという使命のもと、国内での感染者発生直後から、開設者とともに連絡会を立ち上げ、感染対策や職域接種などに取り組みました。感染が拡大する中で難しい局面もありましたが、今日に至るまでしっかりと市場流通を守ることができました。市場関係者の事業継続の努力に対して感謝申し上げます。
豊洲市場は開場6年目に入りましたが、地球環境、流通や労働環境の変化は目まぐるしく、ロシアのウクライナ侵攻、ALPS処理水放出の影響など市場だけでは解決できない課題も多々発生しています。また、豊洲市場は開場当初から素晴らしい施設を持っていますが、まだ十分に活かし切れていない部分もあります。さらに5年が経過し、ハード・ソフト面ともに強化する必要も出てきました。厳しい環境下でも、生産者や消費者の皆様に喜ばれる市場であり続けるため、努力してまいる所存です。
来年2月には6街区の場外エリアに賑わい施設「豊洲 千客万来」が開業します。「築地のような場外市場がほしい」との地元江東区の要望を受け、整備が進められてきましたが、ようやく全ての施設が完成し、かつての築地のような場内と場外の関係が再現され、これまで以上に賑わいが生まれると期待しています。
移転1周年記念式典で披露しました豊洲市場の将来ビジョン「地元に愛される」「都民に信頼される」「世界に翔(はばた)く」市場を目指し、今後とも取り組んでまいります。農林水産省、東京都、江東区及び市場関係者の皆さまに引き続きご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げますとともに、皆様のご健勝、ご商売のますますの繁盛を心から祈念申し上げます。
2023年10月11日
一般社団法人豊洲市場協会
会長 伊藤裕康