豊洲市場では1月5日早朝、水産物部と青果部ともに初市が行われ、多くの関係者が来場しました。水産物部の大物売場には約30社のメディアが来場。例年話題となる生鮮マグロの初セリでは、大間産クロマグロがキロ8万円(1本1688万円)の最高値で競り落とされました。各セリ場で行われた卸・仲卸の代表者による挨拶では、オミクロン株への警戒と市場機能の維持に触れたほか、卸と仲卸が手を取り合った形での集荷・販売、新しい時代に向けた取り組みなどが呼び掛けられました。
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【初セリの結果】
《入荷数量》
水産物部 874.6トン(前年初市日:883.2トン)
青果部 1063.5トン(前年初市日:1216.0トン)
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《水産物部:マグロ》
冷凍 984本:61.4トン(前年初市日:1149本:73.6トン)
生鮮 307本:18.0トン(前年初市日:283本:17.3トン)
生鮮マグロ最高値
産地:青森県大間(本マグロ・クロマグロ)
重量:211.0キロ
キロ単価:80000円
一本値:1688万円
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《青果部:宝船》
最高値:特大サイズ 50万円
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詳細は東京都HPまで
【主なあいさつ】
《水産物部》
大物売場では水産卸、水産仲卸を代表してあいさつが行われました。
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水産卸を代表し大都魚類の橋本宏行社長は「ここにきて第6波あるいはオミクロン株の懸念がありますが、過去2年間で得た経験と知見を卸、仲卸全員の力を振り絞り、乗り越えられればと思っています。私自身、水産業界に40年近く従事していますが、世界を見てもこれだけ品揃えのある市場・マーケットというのはありません。まさに宝の山。我々はこの宝の山を生かし、豊洲市場を発展させていかなければなりません。2022年、ここにいらっしゃる皆様の力を合わせ、豊洲の発展に向け進んでまいります」とあいさつ。
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水産仲卸(大物業会)を代表し横田繁夫会長は「2年連続で新型コロナの影響から厳しい状況でしたが、皆様のご協力により市場機能を維持し、お客様のニーズに応えることができました。今年も大変ありがたいことにたくさんのマグロが上場され、セリが行われようとしています。マグロが上場されるのは当たり前でなく、商流・物流が変化する中、卸会社の集荷力に支えられ、我々業会員はお客様のニーズに応える努力を継続することが、目利きではり、使命であると考えております。今一度、使命を忘れず、仲間の存在に感謝しながら頑張っていきましょう」と呼び掛けました。
東京魚市場卸協同組合の早山豊理事長は「昨年1年間を振り返りますと、非常に厳しい条件の中、我慢をして信念を持って市場が閉鎖されないよう、業務を継続してまいりました。これからまだ第6波の可能性があるなかで、引き続き卸、仲卸、全ての関係者が心を一つにして市場を守っていかなければなりません。私たちの原点であるこのセリ場により多くのマグロがこれからも並ぶことを、卸と仲卸が共通認識を持って、これからも取り組んでいきたいと思います」とあいさつし、魚河岸恒例の一本締めの音頭をとりました。
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《青果部》
青果部では宝船の前であいさつ。業界を代表し東京シティ青果の鈴木敏行社長が「昨年は大変な年でした。しかし、オミクロンという新しい株が入ってきて、東京でも感染者が増えるなど、日本もまだまだ先が見えない厳しい環境だと思います。今一度、昨年から実施してきた注意喚起を行いながら、感染者を増やさず、『市場は大事なインフラだ』ということで気を引き締めて進んでいきたいと思います。商売を見ても、昨年は緊急事態宣言により、我々の得意とする業務筋が近年になく苦戦しました。その中で、一般野菜が大暴落した一方、果物は温暖化などにより減少。野菜安・果物高で推移しました。これからも果物については増えることのない、値の高い環境でがんばらないといけないのかなというのが現状です。また、シティ青果も新しいグループ傘下に入り、シナジー効果を得て、全ての皆さんの需要に応えられるよう、将来を見据えて頑張ってまいりたいと思います」とあいさつし、恒例の一本締めを行いました。
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【初市の様子】
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